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今年は“阪珍”タイガース?!

 これは“珍現象”? どうも阪神の様子がおかしい。昨年は中日、巨人と三つどもえの優勝争いを演じ、優勝した中日から1ゲーム差の2位だったのに、今年は一転して、横浜と最下位争いを演じている。

 5月22日の西武戦(甲子園)では球団ワーストタイ記録の5併殺という拙攻ぶり(プロ野球記録は6)。同26日のロッテ戦(甲子園)ではマートン外野手がアウトカウントを間違えて、捕球したボールをスタンドに投げ入れるという珍プレーをやらかした。



 この試合をサンテレビで解説していた阪神OBの小山正明氏は「1点もやれない緊迫した場面でアウトカウントを間違えるなんて、とんでもないことですよ」とあきれ、真弓監督は「論外や」と吐き捨てた。

 敬虔なクリスチャンとして知られるマートンは「絶対に起こすべきことではなかった。チームに対しても、ファンに対しても過ちを謝罪します」と“懺悔”したが、今季の阪神の不振を象徴するようなプレーと言ってもいいだろう。昨年、シーズン214安打のプロ野球新記録を打ち立てたマートンだが、今季は大ボケ珍プレーで“記憶”を残すとは、神様も随分、イタズラなものだ。

 前回、同様にアウトカウント勘違いの珍プレーをやらかしたのは元巨人のクリス・レイサム外野手。2003年5月21日のヤクルト戦(福岡ドーム)だった。この時は巨人が勝ったので笑い話程度で済んだのだが、下位に低迷する阪神ではシャレにならない。

 もっとも、マートン一人を責めるわけにはいかない。打線では金本、城島、ブラゼルらがそろって不振。投手陣も、ロッテから2年総額5億円(推定)で獲得した小林宏が再三救援に失敗している。ベンチワークもただ打たせるだけの無策ぶり。継投もうまくいっているとは言い難い。

 日本プロ野球選手会が5月9日に発表した12球団の今季年俸調査(選手会所属の支配下登録選手対象)で、阪神は平均年俸5546万円で3年連続のトップ。年俸総額34億9390万円、開幕1軍選手の平均年俸1億1136万円もともに1位で“3冠”を達成している。優勝を狙えるだけの戦力は十分整っているはずなのだが、これをうまく生かせないとなれば、指揮官の資質が問われても致し方ない。関西のスポーツ紙でも、真弓監督の采配に批判的な論調が目につくようになってきた。

 ちなみに、レイサムがアウトカウント間違え事件を起こした2003年は、第1次原政権の2年目。この年の巨人は優勝した阪神から15.5ゲーム差離されての3位に終わり、前年日本一だったにもかかわらず、原監督が“人事異動”の名目で辞任している。

 真弓監督は昨オフに新たに2年契約を結んでいるが、この世界の契約はあってないようなもの。このまま阪神が浮上できなければ、解任論が噴出するのはまず避けられない。ペナントレースはまだ4分の1を消化した段階だが、果たして“阪珍”状態から脱出できるかどうか…。真弓監督にとっては早くも正念場だ。(本間普喜)

(2011年6月1日付、産経新聞運動面に掲載)

[ 2011/06/01 19:24 ] スポーツ プロ野球 | TB(0) | CM(0)

末期? ついに、客も入らなくなった…

ロッテ 2-2 巨人 (30日、QVCマリン、観衆=9328人)

 巨人が観客動員大幅減の危機に立たされている。故障者続出で1軍半レベルの選手ばかりじゃ仕方ないのだが…。

 昨5月30日に唯一行われたプロ野球の試合がロッテvs巨人戦(QVCマリン)。日曜日の試合が三回途中、雨でノーゲームとなったために、この日に順延されたものだ。

 試合は延長十一回、3時間45分の激戦(?)の末に2-2の引き分けに終わった。昨年日本一のロッテと巨人の好カードのはずなのだが、観客はなんと、巨人戦としては今季初の1万人割れとなる9328人。いくら予備日のナイターとはいえ、これはちょっと寒すぎる。

 巨人が借金2のセ・リーグ4位に低迷していることに加え、小笠原、高橋、亀井らを故障で欠き、1軍半レベルの選手がズラリ。スタメン出場した選手で名のあるところといえば、坂本、長野、ラミレス、阿部ぐらいだ。先発投手も、昨年は主に中継ぎで使われていた高木が今季初先発した。

 巨人は一回に坂本の先頭打者ホームランで先制したが、その裏、高木が四球、死球、ヒットでいきなり無死満塁。福浦への押し出し四球で同点とされ、続く里崎にタイムリーを打たれてあっさり逆転を許した。大乱調の高木はこの回限りで降板。二回からは西村、山口、久保、アルバラデホ、ロメロと細かくつないでロッテに追加点を許さなかったが、巨人の貧打は相変わらずで、五回に古城の犠牲フライで同点に追い付くのがやっとだった。

 九回の無死一、三塁や延長十一回の2死一、二塁とチャンスはあったのだが、あと1本が出ない。負け試合でもめったに感情を表に出さない原監督だが、この日は珍しく怒りをあらわにした。

 「もう少し打者が執念を持つべきだろうね。そうでないと同じことを繰り返す。『ああハードラックだった』、『ああもったいなかった』ってね。コーチもノホホンとやってんじゃないかなと思って。執念を持って、ピリピリしてね。このチームの良さは若さ。もっと若さを出していかないと!」

 名指しこそ避けたものの、淡泊な打線への不満をぶちまけ、怒りの矛先はコーチ陣にまで向けられた。30日現在、巨人のチーム打率は.230でリーグ最下位。昨年、12球団最多の226本塁打と、豪快な打撃が売りだった巨人がこれでは観客がソッポを向いてしまうのも無理はない。

 日本テレビの細川知正社長は昨30日に行われた定例会見で巨人戦の視聴率が微増していることを明かした。開幕から5月の第4週を終えた時点で、日本テレビが中継した試合の平均視聴率は10.3%で、前年同期の9.1%から1.2ポイント上昇。また、他局を含めた巨人戦中継の視聴率も10.0%で前年同期比で0.7ポイント上回っている。細川社長は「若い人や子供たちが野球に戻ってきている印象があります」と話したが、とても劇的な上昇とは言い難い。さらに、観客動員も減少傾向にある。

 昨年の巨人主催試合の観客動員は1試合平均4万1203人で、2009年の4万0755人から増加したが、今季はここまで3万4574人と激減している。東日本大震災の影響で4月中に東京ドームが使えなかったことが大きいが、5月に入ってからも東京ドームで4万人を割った試合が9試合中4試合もある。東京ドームの4万人割れは2009年10月2日の横浜戦以来で、昨年は1試合もなかった。2009年は巨人が独走して9月23日に早々と優勝を決めており、それ以降は消化試合だった。今年は消化試合でもないのに、すでに4万人割れが4試合…。これは異常事態と言ってもいい。

 昨30日はロッテの主催試合だったが、ロッテも4位に低迷しているとあって、昨年の1試合平均2万1474人から今年は1試合平均1万6154人と大幅に減らしている。12球団全体を見ても、昨年の平均が2万5626人だったのに対し、今年は2万4272人と減少している。果たしてこれは震災の影響だけなのだろうか…。

(数字はいずれも2011年5月30日現在)
[ 2011/05/31 09:05 ] スポーツ プロ野球 | TB(0) | CM(0)

今年もやっぱり「パ高セ低」…

 今年の交流戦でも“パ高セ低”の傾向がくっきり。セ・リーグさん、大丈夫?

 「人気のセ、実力のパ」…。昔から言われ続けてきたことだが、今年もその傾向が顕著だ。2005年に始まったセ・パ交流戦は今年で7年目。過去6年は、ロッテ、ロッテ、日本ハム、ソフトバンク、ソフトバンク、オリックスといずれもパ・リーグ球団が優勝している。特に昨年は1位から6位までがパ・リーグ、7位から12位までがセ・リーグと明暗がくっきり分かれた。

 今年も同様で、中日が健闘しているのを除けば、セ・リーグの各球団は大苦戦を強いられている。29日現在、パ・リーグの32勝23敗4分けと“パ高セ低”状態だ。

 象徴的だったのは、昨29日の西武vsヤクルト戦(西武ドーム)。不振のヤクルトは宮出を3番、ガイエルを6番、荒木を8番、福川を9番で先発起用したものの、打線のテコ入れも実らなかった。ヤクルト先発の増渕は序盤から打ち込まれ、3回4失点。打線は福川の左中間タイムリー二塁打による1点だけで、終わってみれば1-10の大敗を喫した。

 ヤクルトは2連敗で、ついにセ・リーグ首位の座から転落。交流戦の順位でも2勝7敗1分けで最下位に沈んでいる。交流戦前まで.682あった勝率は、交流戦で.222と急落。リーグ1位だったチーム打率.273も交流戦では.198とまるで別のチームに変わってしまった。

 対照的に西武は4連勝。交流戦前までは9勝14敗1分けでパ・リーグ5位だったが、交流戦では8勝2敗と好調で、リーグ3位、交流戦2位とすっかり息を吹き返した。まさに交流戦さまさまだ。

 試合後、ヤクルトの小川監督は「投手陣は、いつもいつも好投というわけにはいかず、こういう日もあります。打線はこれだけ点を取れない以上、何かを変えないと…」と話したが、もはや打つ手がないのが現状。伊勢総合コーチは「セとパで投手力に差があるのは間違いない。逆に、パの打者にとっては交流戦が稼ぎ時やろ。セの先発投手陣は、厳選したところでタカが知れとる。増渕レベルは屁のカッパやないか? あれくらいの投手は、パにはゴロゴロおるから、中継ぎやろな」と投手力の差を敗因に挙げた。

 実際、パ・リーグには防御率1.46のロッテ・唐川を筆頭に、防御率1点台が11人もいるのに、セ・リーグの防御率1点台は5人しかいない。交流戦は2連戦ずつのカードで日程的にも楽なため、好投手を惜しみなく注ぎ込めるのもパ・リーグの強味だ。

 それにしても、セとパでどうしてこうも格差があるのか。本来、ドラフトは12球団平等で、戦力が偏ることはないはずだ。

 セとパの一番の違いは指名打者(DH)制があるかないかだろう。DHのあるパ・リーグの投手は打者9人と対戦しなければならない。1番から9番までまったく気を抜くことが出来ないのだ。また、自分が打席に立つ必要もないため、投球に集中できる。一方、セ・リーグは9番バッターが投手で、いわゆる“安全パイ”。バントなどの小技を仕掛けてくることはあっても、長打や一発を警戒する必要はあまりない。投手にとっては一呼吸置くことができる。また、好機で投手に打順が回ってくると、代打を送られるケースが多くなる。総じてセ・リーグの投手は長いイニングを投げずに済む。この違いがパ・リーグに好投手が育つ理由かもしれない。

 加えて、選手補強の違いも大きい。人気があり資金力も豊富な阪神や巨人は、FAで他球団の有力選手や外国人選手をかき集め、なかなか若手にチャンスが回って来ない。昨オフに内川、カブレラ、細川を他球団から補強したソフトバンクは例外だが、他のパ・リーグ球団は、それほど資金力が豊富というわけではなく、自前で選手を育てるのが基本線だ。このため若手が出場機会を得て大きく育つ結果となっている。

 果たして、このまま“パ高セ低”の傾向が続くことになるのか…。7年連続でパ・リーグが交流戦優勝ともなれば、「人気のセ、実力のパ」どころか、「人気もパ、実力もパ」ということにもなりかねない。昔はセ・リーグの球場が満員なのに対して、パ・リーグの球場はガラガラというのが定番。外野席で流しそうめんができるほどだった。だが、最近はパ・リーグも着実に観客数を増やしつつある。昨年の観客動員数はセ・リーグが1230万8022人で、パ・リーグが983万2981人。まだ開きはあるものの、セ・リーグが前年比96.9%と減らしているのに対して、パ・リーグは前年比101.3%と増やしている。このままパ・リーグ球団にやられっぱなしのようなら、セ・リーグ首脳も何らかの方策を考えざるを得なくなるかもしれない。

(成績はいずれも2011年5月29日現在)

[ 2011/05/30 09:19 ] スポーツ プロ野球 | TB(0) | CM(0)

横浜、電撃ノリ獲得の裏事情とは…

 横浜入団が決まった中村紀。今さら感が漂うが、ノリ獲得のメリットとは?

 晴れてプータロー脱出! 横浜は23日に昨年限りで樂天を戦力外になっていた中村紀洋内野手(37)と、トライアウトを受けていたルイス・ゴンザレス投手(28)の獲得を発表。昨24日に、すでに再入団が決まっていたスティーブン・ランドルフ投手(37)とともに横浜市の球団事務所で入団会見を行った。

 中村は、近鉄を皮切りにドジャース、オリックス、中日、樂天と渡り歩いて横浜が6球団目。近鉄時代は「いてまえ打線」の中核を担い2000年、2001年と2年連続で打点王となり、2002年から2004年までの年俸は5億円プラス出来高払いと、まさに飛ぶ鳥を落とす勢いだった。しかし、その後は右膝などの故障の影響もあって下り坂。テスト生としてキャンプに参加し、育成枠で中日に入団した2007年の当初の年俸はわずか400万円だった。樂天移籍後も2年で戦力外に。本人は現役続行にこだわり、オファーを待ち続けたが、キャンプ、オープン戦、公式戦開幕を過ぎてもどこからも声がかからず、兵庫県西宮市内で孤独な自主トレを続けてきた。

 急転、横浜から声が掛かったのは22日の朝だった。横浜の加地隆雄球団社長(70)が「おいノリ、本気でやるか?」と尋ねると、中村は「もちろん、やります!」と即答。「電話を切った後、泣いてしまった。家族全員で泣いて喜んだ」という。加地社長は「戦力外通告を受けた後、実はずっとウオッチングしていました。彼は東日本大震災の被災地にも、すぐ毛布6500枚を送った。中村君の人間としてのすばらしさに感銘を受けていた」と獲得に至った経緯を説明した。

 年俸は500万円プラス出来高払いの1年契約で、背番号は樂天時代と同じ「99」。格安な買い物ではあるが、問題は本当に使えるのかどうかだ。

 中村自身は「プロ20年目で体は一番いい状態。自分に期待している」と話すが、三塁には今季から主将に就任した村田修一内野手(30)がおり、一塁には今季2年目のブレット・ハーパー内野手(29)がいる。24日現在、4番を打つ村田は打率.300、6本塁打と好調で、5番のハーパーも打率.263、5本塁打とまずまず。ハーパーとの併用も考えられるが、一塁手の候補には昨オフにオリックスからトレードで獲得した一輝(嶋村一輝)内野手(29)のほか、2009年のドラフト1位、筒香嘉智内野手(19)もいる。特に筒香は将来の大砲候補で、すでにイースタンで7本塁打(24日現在)を放っている。中村に出番があるとしてもせいぜい代打要員、あるいは交流戦でのDHといったところだ。

 「どこからも声が掛からなかったのに、なんで今さらノリ?」と誰もが不思議がるのも無理はない。球団としては、村田やハーパーが万が一故障した際の“保険”の意味合いもあるようだが、それ以上の理由は話題性だ。何しろ、年俸500万円といえば、全盛期の100分の1。ここから見事、復活を果たせば、格好の“ドラマ”となる。

 案の定、裏では横浜の親会社、TBSが動いていた。以前よりTBSは中村とその家族のドキュメンタリー番組を作るため、密着取材を続けていた。オファーを受けて家族で赤飯を炊いて喜ぶシーンも収録。また、中村は23日夜に兵庫県内の自宅を車で出発し、約6時間かけて横浜に到着したが、これにもTBSの取材クルーが同乗していた。この時期になっての突然の中村獲得は、多少なりともTBSサイドの意向が働いていたようだ。

 もっとも、2軍暮らしのままでは、せっかくの“復活ドラマ”も締まらない。加えて、個性の強いキャラクターだけに、横浜ナインに与える“化学反応”も気になるところだ。

 中村は会見後、早速横浜スタジアムを訪れ、尾花監督やナインにあいさつ。同じ右のスラッガー、村田からいきなり「全力疾走、できますか?」と軽いジャブを受けると、「おう、できるよ。お前が先に(足の筋を)切るなよ」と応酬した。

 中村は三浦大輔投手(37)と並ぶチーム最年長。三浦は「ハマの番長」としてチームのリーダー的存在だったが、今は村田が主将としてチームを仕切っている。中村の加入は、いきなり他校の“番長格”が転校してきたようなものだ。村田にとっては格好の刺激材料ともいえるが、全面衝突ともなればチームが空中分解してしまう危険性もはらんでいる。

 中村の入団については横浜ファンの間でも「打線に厚みが増す」と歓迎する声がある半面、「もうとっくに終わっている選手。将来を考えれば若手を積極的に使った方がいい」などと賛否両論が渦巻いている。果たして、ノリの加入は最下位脱出の起爆剤となるのか、それとも…。

(成績は2011年5月24日現在)


[ 2011/05/25 09:12 ] スポーツ プロ野球 | TB(0) | CM(0)

悲運の沢村、また勝てず…

巨人 1-4 オリックス(5月23日、東京ドーム、観衆=39857人)

 巨人は22、23日のオリックス戦に連敗。それにしても、沢村の勝ち運のなさときたら…。

 巨人のドラフト1位ルーキー、沢村拓一投手(23)がまたもや“見殺し”にされた。巨人は23日、東京ドームでパ・リーグ最下位のオリックスと対戦。今季7試合目の先発となった沢村は序盤から好投し、一回裏には2死一、三塁から阿部のライト前ヒットで早々と1点の援護をもらった。

 だが、四回、田口、李承ヨプの連打で一、二塁とされ、2死後、大引のレフトへのタイムリーヒットで同点に。それでも7回を投げ抜き、6安打1失点。プロ初の2桁となる11三振を奪った。巨人は八回からは久保、九回には越智とつないだが、越智が簡単に2死を取った後、オリックス先発の寺原隼人投手(27)がそのまま打席に入った。普通なら代打を送られるケースだが、七回を投げ終わった時点で岡田監督から「きょうはおまえで最後までいく」と完投指令が出されていた。連投の投手陣を休ませるためだ。

 とはいえ、プロ10年目の寺原は、昨年までの4年間、横浜でプレーしたものの、9年間の通算打率はわずか.126にしか過ぎない。普通に考えれば“安パイ”。早々と凡退して次のイニングに向けて体力を温存する手もある。しかし、寺原は追い込まれながらもファウルで粘り、9球目で四球を選んで出塁した。「投手が出塁すれば雰囲気も変わる。相手投手は『やっちゃった』という気持ちになる」と寺原。その言葉通り、越智は動揺したのか、続く坂口が投手強襲の内野安打で続き、途中出場の山崎浩が左翼へ3ラン本塁打を放った。その裏、寺原は巨人打線を三者凡退に抑え、今季3勝目を挙げた。

 沢村は、負けこそつかなかったものの、4月21日の阪神戦(甲子園)で初勝利して以来、5試合続けて白星なし。もう1カ月以上勝ち星から見放されているとあって、「プロでやる以上、結果が全て。ゼロに抑えられなかったのが悔しい。1勝するのは難しい」と脣を噛んだ。

 沢村の初先発となった4月15日の広島戦(マツダスタジアム)は6回2/3を2失点と好投するも、試合は4-4の引き分け。4月21日の阪神戦(甲子園)で7回を1失点で初勝利を挙げたが、4月28日のヤクルト戦(静岡)は7回1/3を4失点で初黒星。5月5日の阪神戦(東京ドーム)では6回1/3を2失点で負け投手となり、5月11日の横浜戦(東京ドーム)は7回を4失点で自身3連敗。その後、前回登板の5月17日の楽天戦(Kスタ宮城)では6回を3失点で勝ち負け付かず、この日も勝てなかった。ここまでの防御率は2.47とセ・リーグの8位に付けているのだが、沢村が登板した7試合の平均得点は2.29と援護に恵まれていない。

 原監督は「3、4、5、6番がチャンスで束になり、4人で点をもぎとってもらわないと。“スミ1”ですしね。投手は責められないでしょう」と打てない打線を敗因に挙げ、沢村をかばった。敵将の岡田監督も「真っすぐに力があったし、評判通りええ投手よ」と評価した。好投しながらも勝ち星に恵まれないのは、もう「持ってない」としかいいようがない。

 一方、この日133球の力投を演じた寺原もある意味、“持っていない男”だった。寺原は2001年のドラフトで、ダイエー(現ソフトバンク)、巨人、中日、横浜の4球団が競合し、ダイエー入り。ルーキーイヤーに6勝、翌2003年に7勝を挙げるなどしたが、2006年オフに多村仁とのトレードで横浜に移籍した。横浜時代の4年間は21勝31敗22セーブ。特に巨人戦に弱く、ここまで巨人戦には2勝12敗とやられっぱなしだった。この2勝はリリーフで挙げたもので、先発に限れば2007年5月16日に黒星を喫して以来、実に対巨人戦11連敗。昨年3月には、登録名を「寺原隼人」から「寺原早人」に改名したりと験担ぎも試みたが、昨年は4勝3敗に留まり、オフにはオリックスにトレードに出された。

 「自分でも巨人戦未勝利というのは気付いていました。セ・リーグに移って巨人に勝つことがひとつの目標でした。横浜では出来ないままパ・リーグにまた戻ったけど、やっと達成できました」と笑顔を見せた寺原。12度目の挑戦でようやく手にした巨人戦勝利は、9回を一人で投げ抜き、粘って四球で出塁し、自ら決勝のホームを踏むという執念のたまものだった。

 足掛け5年、11連敗と“産みの苦しみ”を味わった寺原に比べれば、沢村の1カ月ほどの勝ち運のなさは、「まだまだ」と言えるかも…。寺原ほどの執念と根性を見習えば、沢村がトンネルを抜け出す日も、そう遠いことではないかもしれない。

(成績はいずれも2011年5月23日現在)


[ 2011/05/24 08:22 ] スポーツ プロ野球 | TB(0) | CM(0)
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プロフィル

I thought what I'd do was, I'd pretend I was one of those deaf-mutes...or should I?

Author: 本間 普喜
(ほんま ひろき)

1963年5月7日、横浜生まれ
1987年、産経新聞社入社
職業:ライター
好きな食べ物:極上の本マグロ、アルコール類全般…
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