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西岡も流出? 日本一ロッテに迫る危機

 日本一を達成したロッテの主力級がごっそり抜ける? 小林宏、渡辺俊、里崎、そして西岡の去就は…。

 中日を倒し、史上初めて公式戦3位から日本一達成という快挙を成し遂げたロッテ。だが、勝利の余韻に浸っている余裕はない。早くも次の“戦い”が待ち受けている。

 ロッテの次の試合は13日に東京ドームで行われる日韓クラブチャンピオンシップだが、球団関係者にとってはそれどころではないというのが本音だ。日本シリーズ終了翌日のきょう8日から、土・日・祝日を除いた7日間、つまり16日までがフリーエージェント(FA)の宣言期間となっており、FA権を持つ選手と球団の間で駆け引きが繰り広げられることになる。

 ロッテでは、渡辺俊介投手(34)、里崎智也捕手(34)が国内FA権を取得済みで、守護神の小林宏之投手(32)はメジャー移籍が可能な海外FA権を持つ。さらに、主将の西岡剛内野手(26)がポスティングによるメジャー移籍を希望しており、場合によっては主力級がごっそり抜ける危機に直面している。

 渡辺俊は今季8勝8敗、防御率4.49とパッとした成績ではなかったものの、クライマックスシリーズ(CS)から調子を上げ、2日の日本シリーズ第3戦(千葉マリン)では1失点の完投勝利。7日の第7戦(ナゴヤドーム)では2回4失点と乱調気味だったが、過去の交流戦では中日に通算5勝1敗と中日キラーぶりを発揮している。このため、渡辺俊がFA宣言した場合は、巨人が獲得に乗り出す可能性が高いといわれている。

 何しろ、今季の巨人は中日に9勝15敗。CSファイナルステージでも1勝4敗(アドバンテージを含む)で一蹴された。V奪回のためにも中日対策は急務。渡辺俊はまさにうってつけだ。本人は「まだ、球団と何も話してないので、これから話して決めます」としており、動向が注目されている。

 強打の捕手、里崎も同様で、正捕手の定まっていない横浜のほか、多くの球団が興味を示している。また、小林宏はかねてからメジャー移籍を希望しており、近日中にもFA権行使の申請手続きを行う見通しだ。

 そして、ロッテにとって何よりも大きいのが、今季から主将を務め、チームを牽引してきた西岡の存在だ。今季は206安打、打率.346をマークし、最多安打と首位打者のタイトルを獲得した。石川晃球団運営本部長(49)は「新しい遊撃手が育っていないのが現状。現時点で、いなくなったときのことは想像もできない」とし、残留を要請する方向。その上で「メジャー移籍希望があれば、本人から言ってくるでしょうし、こちらから話を持ちかけることはない。“行きたい”という気持ちは、周囲からチラホラ聞いてはいますが…。私自身の気持ちは『ダメ』ですが、私だけでは決められない。(瀬戸山隆三球団)社長、(重光昭夫)オーナー代行と相談します」と複雑な表情だ。

 西岡本人は「今は日本シリーズが終わったばかり。これから考えたい」としているが、メジャー挑戦の意志は固いとされ、近日中にも球団と話し合いを行うことになる。ただ、日本人内野手がメジャーで成功した例は皆無に近く、西岡がメジャーで通用するかどうかという不安もつきまとう。

 公式戦3位からの下克上で日本一にまで上り詰めたのはいいが、「日本一」という付加価値がついたことで、ロッテのFA選手らに対する他球団の注目度も上がっている。連覇を目指す来季に向けてどうチームづくりをしていくのか。フロントにとっては頭の痛い問題だ。


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[ 2010/11/08 09:19 ] スポーツ プロ野球 | TB(0) | CM(0)
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プロフィル

I thought what I'd do was, I'd pretend I was one of those deaf-mutes...or should I?

Author: 本間 普喜
(ほんま ひろき)

1963年5月7日、横浜生まれ
1987年、産経新聞社入社
職業:ライター
好きな食べ物:極上の本マグロ、アルコール類全般…
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