本間普喜のホンマのところ… TOP > 2011年04月21日                    お気に入りに追加

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巨人軍は本当に“紳士”なのか?

 ヘルメットに貼られた「がんばろう!日本」のステッカーが白々しく感じられる。東日本大震災の被災者を勇気づけるために“特別なシーズン”として幕を開けたプロ野球だが、早くも“汚い野球”を見せられた。

 20日に甲子園で行われた阪神vs巨人戦。2-2で迎えた七回、阪神は巨人2番手の内海を攻め、1死二、三塁から鳥谷の犠飛で1点を勝ち越し、さらに暴投と四球で2死一、三塁として、打席にはブラゼルが立った。内海の初球、133キロのチェンジアップを高々と打ち上げると、打球は右中間の浅い位置へ。二塁手の脇谷がこれを追い、一度は捕球したかに見えたが、グラブからボールがこぼれ、芝生の上でワンバウンド。脇谷は倒れ込みながらボールを抑え、“再捕球”したボールを掲げてアウトをアピールした。

 一塁塁審の土山剛弘審判員の位置からは完全な死角だったが、判定は「アウト」。真弓監督はベンチを飛び出して猛抗議したが、判定は覆らず攻守交代。落球なら確実にもう1点入っていただけに、甲子園は大ブーイングに包まれた。この誤審で流れが変わり、直後の八回に巨人は3点を入れて逆転。結局、5-4で巨人が勝利を収めた。

 試合後、土山塁審は「キャッチしたと見たので『キャッチした』と判定した。フォーメーション上、あの打球に関しては私が行くものです」と説明したが、当然、阪神サイドは納得がいかない。真弓監督は「判定は微妙じゃない。見えなかったんだろうな。見えている人がいたらね。見えてないんだったら、別の見えている人がジャッジしてもいいんじゃないかと。でも二塁塁審は多分見えていない。はっきり言って、二塁塁審は見るところがまずい」と憮然。木戸ヘッドコーチは「ボールは落ちているよ。『ジャッジはジャッジだ』とのことだが間違っているものは間違っている。娯楽じゃないんだ。アンパイアで負けたと言われてもしゃあない」と吐き捨てた。

 阪神の沼沢球団本部長は「ビデオで見た。完全な落球だな。審判が落とすところを見ていなかった。NPBに要望書を出す」と憤まんやるかたなしといった様子。一方、当事者の脇谷は「捕りましたよ。自分の中ではスレスレのところでやってますから。VTR? テレビの映りが悪いんじゃないですか」と白々しくコメント。原監督は「少し流れというかね。いい流れが来たと思います。それを止めずにいきたいと思います」と話すに留めた。

 問題のシーンはすぐさま、動画投稿サイトの「YouTube」にもアップされ、多くのコメントが寄せられている。



 「選手がアウトをアピールするのは当然のこと。悪いのは審判」と脇谷を擁護する声や「ミスジャッジも野球のうち」という意見もあるが、多くは「審判を騙すなんて、スポーツマンシップの欠片もない」「平然と嘘までついて、子供になんて説明するのか」「これが被災地を勇気づけるプレーですか?」などといった批判的なものだ。

 ちなみにこの日、ヒーローインタビューのお立ち台に上がったのは逆転タイムリー二塁打を含む4安打2打点の活躍を演じた長野。「(4安打は)たまたまですよ。勝っても負けてもおかしくなかった。紙一重の試合が続いていたので勝ててよかった」と話したが、フンと鼻を鳴らした野球ファンも多かったのではないだろうか。脇谷が落球した際、センターを守っていた長野はバックアップの態勢に入っていた。一塁塁審側からは完全な死角だったが、長野はちょうど真正面。それも一番近い距離にいた。この時、長野が取った行動はというと、あわててボールを拾い直した脇谷を指さし、審判に対して“捕っている”ことをアピールしたのだ。

 良く解釈すれば、チームの勝利を思っての行為ということになるが、脇谷と同じく審判をあざむいたことに変わりはない。それが“ヒーロー”として称えられるというのは、何という皮肉だろうか…。

 勝負事に運、不運は付き物。誤審を完全になくすことも難しい。勝つことを目的としている以上、ある程度の“演技”も許される行為なのかもしれない。だが、1934年に巨人軍を創設し、プロ野球の父とされる故・正力松太郎氏はこう遺訓を遺した。「巨人軍は常に紳士たれ」。この言葉は巨人軍憲章として受け継がれ、今も川崎市のジャイアンツ球場の室内練習場には銅板のレリーフが掲げられている。この日の脇谷や長野の行為は、とても「紳士」と言えるものではない。「勝つためなら何をやってもいい」というのであれば、巨人は今すぐに、このレリーフを降ろすべきだ。

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[ 2011/04/21 08:09 ] スポーツ | TB(0) | CM(0)
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プロフィル

I thought what I'd do was, I'd pretend I was one of those deaf-mutes...or should I?

Author: 本間 普喜
(ほんま ひろき)

1963年5月7日、横浜生まれ
1987年、産経新聞社入社
職業:ライター
好きな食べ物:極上の本マグロ、アルコール類全般…
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